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2008.09.24 (Wed)

犬の運命

会社の昼休みのとき、銀行の前の隅で野良犬が休んでいました。休んでいるといっでても、もう歩けないくらいに弱っているのがわかります。人生で見た犬の中で一番痩せこけていました。私の会社は上海のど真ん中で、オフィス街のようなところですから、まともな餌や水にはありつけないでしょう。通行人があげたであろう少しの餌も置いてありました。助けてくれとも言わず、目の前の風景をぼーっと見ているその姿はとても可哀相です。

よく晴れたその日。私はその犬を可哀相に思いながらコーヒーを買いにいきました。10分後、その場所に戻ると、もうその犬は姿を消して餌もなくなっており、変わりに銀行の警備員が立っていました。その10分間に何があったのかは想像に難くありません。きっと回収されてしまったのでしょう。

あの弱っていた犬をどうやって回収したのか。優しく抱きかかえて車に載せてある小屋のようなものに入れてあげたのか?そんな丁寧なことはしないでしょうね。あまり想像したくはないです。この上海では犬は生きていけません。上海はすでに都会です。

私の家まで着いてきた犬はどうなるのか。ついに引越し先の部屋を契約しました。私はその部屋で犬を飼うつもりでしたが、大家が契約直前に、「犬はダメだよ」と。しかも、この前まで住んでいた住人も犬を飼っていたので、当然大丈夫なものと思っていましたが、どうやら犬を飼ったことがバレたので退去させらることになったそうなのです。「なんで最初から言わないのか」と文句を言いましたが、大家と会ったのもその日ですから大家が悪いわけでもありません。でも、こちらは犬のことで頭がいっぱいです。

じゃあどうすればいいのか?もともと自分でも環境が許せば飼うつもりでしたが、ちゃんと飼ってくれる人が見つかれば誰かにあげようとも考えていました。とにかく、自分のチカラではどうしようもなければ、犬が無事に生きられればいいわけです。そのとき、不動産屋のマーさんが自分の友人で犬が好きな人がいるということで電話にて聞いてもらったところ、なんと欲しいとのことです。

譲渡する寂しさと本当に飼ってくれるのかという猜疑心が交錯していました。日本なら譲渡するということは飼うということと同意義ですが、ここ上海では犬も食べる人がいます。上海人は基本的に犬を食べませんが広東人などは犬を食べます。でも、飼ってくれる人は上海人だそうですから、とりあえず安心といえば安心。

連絡をとった30分後、早速その彼は私のマンションまで来ました。私は犬との別れもほどほどにして、彼に犬を渡すことをとても急かされている感覚になり、もう後戻りはできない状況に後悔と悲しさがこみ上げてきました。これが最後のご飯だよと、昨日飼った豚肉を茹でたものと、牛乳をあげました。きっと彼の手に渡ったらあまり栄養のあるものは食べられないだろうと思うと、とても悲しく。。。

次の飼い主である彼の家は私の家から徒歩10分ほどのところですが、とても狭くお世辞にも綺麗だとは言えない住居で家族3人で住んでいました。その狭い部屋の入口ドア付近で飼うと言うので不安は拭いきれません。しかし、彼の娘もいるし、奥さんはちゃんとした人のようなので、犬を売ったり捨てたりする可能性は低いだろうと自分を納得させました。

犬と彼の家に行く途中、犬の綱は彼が持っていました。道の途中、犬は後ろにいる私の顔を何度も振り返って見ていました。彼の家について、階段を上って行く途中も振り返って私の目を見ていました。この先に不安を感じているのでしょうか。10回くらいは振り返ったでしょう。私にとってその10分の道のりはとても耐えられないくらいの辛さです。寿命まで飼って別れが来ることなら、いたしかたありませんけど、生き別れというのはこんなにも辛いものかと、犬と人間の関係ながら思い知りました。

犬と過ごした1週間。たった1週間だけど、犬は私を信頼してくれていました。初日は少し半信半疑な感じだったけれど、私がよくしてくれる人間だとわかると安心したようです。朝起きた時に、ベッドの傍らでお座りをしてこちらを見ているあの顔。会社から帰ったときに、嬉しさを隠さずに迎えてくれたあの姿。そして、ベランダで一緒にたたずんで外を眺めていた横顔。もう見れないかと思うと、とてつもない悲しさに襲われます。

彼の家に着いたとき、犬は家の中に入ろうとしませんでした。私が家に入るとなんとか入ってくれましたが、当然ですがどうも慣れないようです。とめどなく溢れる、こみ上げてくる想いを押さえながら、犬に最後の挨拶をしました。そんなメッセージもわかっているのかわからないのか知りませんが、私に向けるその眼差しは、人間の都合で手放そうとしている私にとっては、凝視できない純真な目なのでした。

続く
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